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王妃様は魔女 第四話

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 次の朝は、隣国の王様が母国へ帰る日でした。王妃様は隣国の王様を中庭に案内し、警備兵たちの惨状を見せてあげました。隣国の王様は怒りのあまり、腰の細剣を抜こうとしましたが、常備軍の兵士たちが両脇から斧槍を隣国の王様の首に当てたため、隣国の王様は身動きが取れなくなりました。王妃様はかかしの王様の口を借りて、隣国の王様に云いました。
「この警備兵どもは、今の貴殿のように城内で剣を抜き、罪のない侍従達を斬り殺したため、処刑しました。ですが貴殿は大事なお客様。警備兵亡き今、我が国の常備軍が責任を持って貴殿を母国へ護送して差し上げましょう」
隣国の王様はこの横暴に、何も云い返せませんでした。かかしの王様はさらに言葉を続けました。
「我が国の軍が貴殿の帰国につき従うことになれば、貴殿のお城にその事情を伝えておかねばなりません。我が軍が貴国のお城の前までついて行ったからといって、侵攻してきたと思われては大変ですからね。城門を開けて貴殿を中へ迎え入れてくれるよう、手紙を書かれませ」
隣国の王様の前に机と羊皮紙が運ばれました。王妃様は、隣国の王様が手紙を書いているのをすぐ横で見守っていました。隣国の王様は、王妃様に見られている以上、下手なことが書けませんでした。隣国の王様は云われた通りに手紙を書き、封印を押して早馬に託しました。

 常備軍は全軍を挙げて隣国の王様の護送につきました。王妃様は、隣国の王様が帰国するのに合わせて城内に攻め入り、隣国のお城を攻め落とすよう騎士たちに命じていました。隣国の王様は、護衛のためと思えないほどの大軍が母国へ向かっていることに気づきました。母国に攻め込むつもりなのだと今さら悟っても、もう「城門を開くように」と書いた手紙は早馬の手に渡り、きっとすでに大臣のもとに届いているのでした。
 常備軍は隣国のお城をやすやすと攻め落としました。お城から金銀財宝を略奪し、お城に暮らしていた王族・貴族・騎士・侍従達を一人残らず捕虜にしました。常備軍は隣国のお城に火をかけ、石壁を取りこぼち、堀を埋めて橋を落としました。隣国のお城はお城として機能しなくなり、王妃様の国の領土は隣国一帯を取り込んで大きくなりました。
 王妃様の暴政は、拡大した領土にも及びました。取り込んだ隣国一帯からも、異常に高い税を取り立て、また常備軍の徴兵を行いました。従わない村には軍を派遣して見せしめに幼い子供から順番に殺しました。国中から怨嗟の声が聞こえましたが、王妃様の常備軍はますます強大になりました。

 王妃様は忙しい公務の傍ら、捕虜を愛でることを忘れませんでした。捕虜たちはみな、一人一人別々の牢獄に閉じ込められ、互いに他の捕虜がどうなっているのか知りません。王妃様は一人一人の捕虜に、次のようなルールを提示しました。
「他に捕虜になっている者の名前を十人挙げなさい。名前が挙がった捕虜を殺します。他の人があなたの名前を挙げるより先に、あなたが十人の名前を挙げたなら、解放してあげましょう」
捕虜たちはそれぞれ、多様な反応を示しました。「馬鹿にするな」と意地を張る者や、仲間をかばって死ぬなら本望と云って固く口を結ぶ者もいましたが、反対に、即座に十人の名前を挙げる者もいました。王妃様は、自分以外の十人の名前を挙げた捕虜の魂を抜きとって、地獄に送り込んであげました。弱い者の魂が地獄で永劫の苦しみと絶望を味わう限り、王妃様の魔力は無尽蔵に膨れ上がり、いくらでも魔法を使うことができるようになるのでした。意志が強く口を割ろうとしない捕虜には、王妃様は生かしたまま様々な拷問を施しました。例えば、爪の間に細い針をゆっくりゆっくり差し込んだり、開口器で口を大きく開けさせて奥歯をゆっくり削ったりしました。拷問の途中で耐えきれなくなって他の捕虜十人の名前を挙げた者に対しては、「残念ですが遅いです。もう他の捕虜があなたの名前を挙げてしまったので、あなたはゆっくり殺します」と云って絶望を与えて楽しみました。拷問に飽きたら、魂を永劫の地獄へ送って終わりにしました。もっとも、終わりになるのは王妃様にとってであって、地獄へ送られた魂は永遠に逃れようのない苦しみを味わい続けることになるのでした。

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右斜め下

Author:右斜め下
人が苦しむ物語が好きなんだけど、苦しんでいれば何でもいいってわけでもない。
自分でも「こういう話が好きです」と一言で言えないから、好きな話を自分で書いてしまおうと思った。
SとかMとかじゃないんだ。でもどっちかっていうとM。

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